そう遠くない未来、人類は、宇宙に移り住むようになっていた。
しかし、人の歴史は争いの歴史と言っても過言ではない。
宇宙開拓という偉業は、同時に、地球に住むものと宇宙に住むものの間に確執を生み、幾度となく争いを引き起こす。
終戦の都度、今度こそ恒久的な平和が訪れると囁かれ、開戦の度に、その希望は打ち砕かれる。
そんな争いの宇宙史が、250年。
争いの果てに、地球議会から独立自治権を勝ち取った宇宙移民者群セツルメント。
だが、ようやく得た平和の中に麻痺し、やがては力あるもの為の特権主義社会を生み出し、自らが小セツルメントへの圧政を強いるようになる。
各地で起きたセツルメント内紛争は、体制側と、反体制側に別れてその共同戦線を張り、セツルメント間による強大な戦禍を巻き起こしつつあった。
そして、その火は、地球議会にも飛び火する様相を見せる。
それは、またしても訪れようとする大戦の予感であった。
そんな中、反体制派勢力に加担する私設軍隊「グレイゾン」が、その活動を公の場にしようとしていた。
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