アベル 「僕・・・、なの?」

アベル 「人造・・・人間? ・・・僕が?」

アベル 「感情を・・・、与えられ・・・て・・・?」

ケネス 「よし、撃ッてぇ!」

シャイロン 「なん・・・だとッッッ!?」

シャイロン 「ぐあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!?」



タイトル

「脱出」

− Exodus −



ナレーション 「宇宙移民者と地球の間に作られた和平は、そう、長くは続かなかった。時は宇宙世紀255年、11月。セツルメント降下という忌まわしい事件を期に、体制派連合軍と反体制派バルバロイは全面戦争へと突入する。だが、多くの犠牲者を出したこの大戦の真相を知る者は、あまりにも少なかった」

ナレーション 「コンピュータの機密にアクセスしたアベルは、そこに記された自分の過去を垣間見てしまう。これまでに与えられていた記憶は捏造され、真実は歪められていた。アベルは何のために戦うのか、その意味を問う」



コンピュータを離れ、廊下に出るアベル。

イヴリン 「あら、どうしたのアベル。顔が青いわよ」

アベル 「いえ、何でもないんです」

アベル (イヴリンさんも、知っていたんだ・・・)

イヴリン 「そう? ならいいけど」

アベル 「すみません」

アベル (みんな、知っていたんだ・・・)


そのまま、イヴリンの背を見ながら進むアベル。

AJ 「おっ、おっと、どうした? 危ないぞ」

アベル 「す、すみません。ちょっと考え事を・・・」

AJ 「そろそろ、女性のことを考える年頃かな?」

アベル 「そんなんじゃ・・・」

アベル (AJも・・・)

AJ 「とにかく、前は見てくれよ」


海賊艦マトリックス。

ケネス 「おおおっ!? ついにみっけた?」

ボッシュ 「全くの偶然だが、オケアノスにいた甲斐はあったな。情報収集の網に、コイツが引っ掛かった」

ケネス 「ビンゴ! ドンぴしゃじゃねーの! 悪の巣窟ブルーアンガー!」

ボッシュ 「コースから考えれば、連中は地球で工作をした帰りだな。例のボウヤがいるオデッセイアと合流する・・・」

ケネス 「その前に叩きたいな。合流してからじゃ、戦力がダンチだ」

ボッシュ 「そいつぁ、無理だな。オケアノスと、奴らの潜伏範囲・・・で、ブルーアンガー・・・」

ケネス 「げえっ、どうやっても合流後かよ?」

ボッシュ 「文句言うな。ここでブルーアンガーを落とせなきゃ、俺達に未来はないぞ」

ケネス 「ま。落とせれば、最大最強のスポンサー様だからな」

ボッシュ 「よし、準備だ!」

ケネス 「オーライ! 気合い入れていくぜ!」


アベル自室。

アベル 「全員が知っていたと考えた方が、辻褄は合う・・・。知らないのは、僕とユーニス・・・シャヒーナだけか・・・」

アベル 「エナとミアは、知ってるはずだ。・・・きっと、ザカリアも・・・」

アベル 「僕は・・・、誰を信じればいいんだ?」

アベル 「この感情や憤りも、作られたものなの?」

アベル 「僕が本当に作られた存在なら、その存在理由は何なの?」

アベル 「兵器として作られたなら、兵器として生きればいいの?」

アベル 「ケーラー先生の言うように、ただ強くなればいいの?」

アベル 「それとも、僕の思うように・・・」

アベル 「・・・戦いたく・・・ない」

アベル 「逃げ・・・なきゃ・・・」

アベル 「ここにいたら、僕はまた人を殺さなきゃいけない・・・。殺したくない・・・殺されるのも・・・いやだ・・・」


オデッセイアのブリッヂ。モニターにホセの顔。

AJ 「ご無沙汰しております、カーロ長官」

ホセ 「挨拶はいい、まずは合流からだ」

AJ 「はッ。ブルーアンガーとの合流急げ」

キャロライン 「はい。各員、合流と搬入に備えよ。遅れてるわ。艦橋の準備を急がせて」

ホセ 「Gの新シリーズ投入も含め、今後しばらくの間、君らは私の直接指揮下に入ってもらう。異存はないな? キャロライン・ディベラ艦長殿」

キャロライン 「・・・はい。異存、ありません」

AJ 「・・・くッ」

ホセ 「結構。・・・今後はこの戦争がこれ以上拡大化しないよう、種火を守り続ける事になる。気長に行こう」


自室でうずくまるアベル。

ユーニス 「お兄ちゃん? 入るよ」

アベル 「・・・ユーニス」

ユーニス 「お兄ちゃん?」

アベル 「ユーニス・・・、お母さんのこと覚えてる?」

ユーニス 「うん。覚えてる」

アベル 「お母さんを、探しに行こう?」

ユーニス 「え? うん。でも・・・」

ユーニスの両腕をつかんで、大声を出す。

アベル 「ここにいちゃいけないんだ! 僕らは、ここにいたら悪い人たちに利用されるだけなんだ!」

ユーニス 「お兄ちゃん・・・痛いよ」

アベル 「ご、ごめん。・・・ユーニス、いいかい。今から話すことは、他の誰にも話しちゃいけない。僕たちはずっと、嘘に騙されてたんだ」

ユーニス 「・・・嘘?」

アベル 「僕たちは、戦って、戦争をしてる悪い人をやっつけてると思ってた。でも、違うんだ。・・・僕たちは・・・、戦争をしてる悪い人たちに、騙されて戦わされてたんだ」

ユーニス 「・・・誰が、嘘をついてたの?」

アベル 「AJや、キャロラインさんたち、みんな、みんなだよ。みんなが僕たちを騙してたんだ」

ユーニス 「そんな・・・」


暗い部屋の中で、イヤホンを通して盗聴しているジーン。

ジーン 「やっぱり、な・・・」

アベル(声) 「ここを抜け出す。まだ、僕たちがホントのことを知ったなんて、誰も気付いてない。だから、ソードケインとヴォーテックスを奪えば、どうにか逃げられる。だから・・・逃げだそう」


ユーニス 「よく・・・わからないけど、・・・お兄ちゃんがそう言うなら」

アベル 「いいかい。今夜の1時まで、絶対に眠っちゃいけない。荷物をまとめておくんだよ。今夜の1時、ソードケインの前で。誰にも言っちゃ駄目だからね」

ユーニス 「う、うん」


盗聴しているジーン。

ジーン 「今夜1時、ね」


アベル 「シャヒーナにも、知らせてくる。今夜の1時、絶対だよ」

ユーニス 「あの人も行くの?」

アベル 「うん。シャヒーナも、本当のことを知らないんだ」

ユーニス 「・・・うん」


ブルーアンガーと接舷しているオデッセイア。

新しいG型マシンが運び込まれる。

キャロライン 「あれが、新シリーズのG・・・」

AJ 「その指揮権が、私には無いようだがな」

キャロライン 「まだ、です。・・・まだ、方法は・・・」

AJ 「そうだな。諦めるのはまだ早い」

キャロライン 「ええ。私が好きな長官は、もっともっとタフですよ」


シャヒーナの部屋。

アベル 「シャヒーナ、いいかい?」

シャヒーナ 「・・・どうぞ」

アベル 「や、やあ」

シャヒーナ 「何の用?」

アベル 「あの、さ・・・、ここを・・・、抜けようと思うんだ」

シャヒーナ 「・・・そう」

アベル 「だから・・・シャヒーナも・・・来て欲しい」

シャヒーナ 「・・・どうして?」

アベル 「ここは、戦争を利用してる人たちばかりで・・・、僕は何も知らずにそれに利用されていて・・・。その・・・僕はもう、何のために、どうして生きていけばいいのかわからない状態で・・・」

シャヒーナ 「それで?」

アベル 「ただ、わかってるのは」

アベル 「ここにいちゃいけない事と、傍にシャヒーナがいて欲しいって事だけで・・・」

アベル 「本当はもう、戦うのも、殺すのもイヤなんだ。でも・・・」

シャヒーナ 「それは、逃げ出すという意味?」

アベル 「違うよ。逃げ出すんじゃない。僕は僕のいるべき場所で、僕は僕のなすべき事をする。だから、シャヒーナ。一緒に来て欲しい」

シャヒーナ 「・・・私も、ここが自分のいるべき場所じゃないとは思うわ」

アベル 「・・・うん」


搬送されるGを眺めているジーン。

ジーン 「かあっ! 新作マシン、全部イブレイ隊が持っていくのかよっ! 納得いかねえなあっ」

ホセ 「心配しなくても、君たちはイブレイ隊と統合される。イブレイ隊には優秀なメカニックが不足しているからな」

ジーン 「っぅわッ!? カーロ長官!? こ、こんな所にッ!?」

ホセ 「私も男だよ、オイルのニオイは嫌いじゃない」

ジーン 「っうは、うわははは、そう。そうですよねー」

ジーン 「・・・・ふぅ・・・、あせったあせった」

ジーン 「よーし! お前ら、長官がお前らの腕を買ってくれてるぞー! 夜までにはしっかり整備しとけー!」


イヴリンの部屋。

ユーニス 「イヴリンさん?」

イヴリン 「なに? ユーニス? こんな夜中に」

ユーニス 「あのね、イヴリンさん、あのね」

イヴリン 「どうしたのよ、ユーニス」

ユーニス 「この船って、悪い人ばかりが乗ってるの?」

イヴリン 「そんな訳ないじゃない。どうしたのよ、急に」

ユーニス 「お兄ちゃんが、この船には悪い人ばかりが乗ってるから、逃げなきゃ駄目だって・・・」

イヴリン 「あらあら、まあ」

ユーニス 「イヴリンさんは違うよね」

イヴリン 「違うわよ。安心しなさい、ユーニス」

ユーニス 「う、・・・うん、う・・・、じゃあ、イヴリンさんも一緒に逃げるの?」

イヴリン 「・・・そうね。まずは、アベルから詳しい話を聞かないと・・・。さ。泣きやんで。ユーニス」

ユーニス 「うっ、うん」

イヴリン 「いい子ね。さ。・・・アベルは、何処にいるの?」



アイキャッチ
アイキャッチ「G−GUILTY」


ドック。ソードケインの前。

アベル 「よし、荷物はこれで終わり?」

シャヒーナ 「もともと、何も持たずに来たから」

アベル 「そろそろ時間だけど・・・」

シャヒーナ 「ユーニスを迎えに行かなくていいの?」

アベル 「大丈夫。ユーニスは約束は守れる子だよ」

シャヒーナ 「まだ、あの子は小さいのよ」

アベル 「心配しなくても、一人で来られるよ」

シャヒーナ 「・・・だといいけど」


ヴォーテックスの影。

ジーン 「時間通り、か・・・。うッし」

ジーン 「ッ!?」


ドックのドアが開かれる。

アベル 「ユーニ・・・・っ!?」

イヴリンが、ユーニスの額に銃を突き付けている。

イヴリン 「ひどいお兄ちゃんねえ。妹を一人にするなんて・・・」

アベル 「イヴリン・・・さん・・・!」

シャヒーナ 「なんて・・・」

ユーニス 「ごめ・・・お兄ちゃ・・・」

アベル 「イヴリンさん・・・、あなた・・・」

イヴリン 「悪いわねえ、アベル。こんな汚い真似をしても、アンタを行かせるワケにはいかないのよ」

アベル 「妹を・・・放してください」

イヴリン 「やあよ。だってアンタの運動能力、半端じゃないもの。人質を放したら、どうなる事やら」

アベル 「・・・ごめん、シャヒーナ」

シャヒーナ 「いいのよ」

イヴリン 「さ。馬鹿な逃走劇は幕にしましょう」

アベル 「イヴリンさんは、僕に、人を助けることを教えてくれました。・・・僕は、それがすごく嬉しかったんです」

イヴリン 「やめてよ、気持ち悪い」

アベル 「僕には、あれがイヴリンさんの演技だとは思えません」

イヴリン 「そんなので、説得してるつもり?」

アベル 「僕たちと一緒に・・・、来て下さい」

イヴリン 「馬鹿? 人質を取るような人間に、説得が通用する訳ないでしょ?」

アベル 「そのつもりなら、艦長にでも知らせれば良かったはずです。でも、それをしなかったのは・・・」

イヴリン 「わかったような口きくじゃない・・・。あんたにも、取り返しのつかない苦しみを味あわせてあげるわ」

アベル 「・・・イヴリンさん」


マトリックス。

ボッシュ 「長距離砲ギリギリの範囲だ。見つかっちゃいない分、威力も知れてる」

クルー 「運がいいですよ、艦長。連中の背後を取ってる。破壊力はなくとも、メイン・エンジンを狙い撃ちできます」

ボッシュ 「外すなよ。・・・ケネス、準備はイイな? ドジるんじゃねえぞ」

ケネス(モニター) 「そっちこそな」

ボッシュ 「頼むぜ。・・・ここが正念場だ・・・」

ボッシュ 「撃てえっ!」


イヴリン 「行かせてあげる・・・。ただし、ユーニスには死んでもらうわ」

ユーニス 「ひっ」

アベル 「そんなッ」

イヴリン 「あんたがここに留まったって、もう一度洗脳を受けて、人殺し機械になりさがる事はわかるわよねぇ。・・・ユーニス一人の命で、世界中の人々と、アンタ自身と、その女は助けられるのよ。安いもんじゃない?」

アベル 「・・・イヴリンさん、本気で言ってるんですか?」

イヴリン 「あはっ、試してるの?」

アベル 「待ってくだ・・・」


ブルーアンガーにマトリックスの砲撃が命中。オデッセイアにも衝撃。
衝撃が原因か、イヴリンの意志かは不明だが、引き金が絞られる。

ユーニス 「・・・あ」

銃弾が、ユーニスの胸を貫く。

アベル 「さ・・・い・・・」

シャヒーナ 「・・・! ユー・・・」

ユーニス 「お・・・」

イヴリン 「次はアベル? そっちの女?」

イヴリンが、アベルに銃口を向ける。

ユーニス 「お兄ちゃん、逃げてえぇっっ!!」

ユーニス、HARRYをイヴリンにぶつける。

イヴリン 「くっ」

反動でHARRYはアベルの元へ。

イヴリン 「このっ!」

もう一度ユーニスに銃口を向ける。

アベル 「ユーニス!」

シャヒーナ 「ユーニス!」


突然、ヴォーテックスの腕が、アベルたちとイヴリンたちを分断する。

見えない、腕の向こうで銃声が2発。

ヴォーテックスのコックピットにはジーン。

ジーン 「ボウズ! ハッチのロックは解除してある! ソードケインで脱出しろ!」

アベル 「ジーンさん!? でもユーニスが!」

シャヒーナ 「・・・ユーニス」

ジーン 「妹の命を無駄にするな! 俺が、ヴォーテックスでせき止めておいてやる! いいな!」

アベル 「でも! ユーニスは!」

ジーン 「聞き分けろボウズ! その子まで死なせてえのか!?」

アベル 「ッ! くっ・・・! ごめん! ごめんユーニス!」


ジーン 「よしッ! ヴォーテックスは頂いていくぜ!」


倒れているユーニスの前に、へたり込むイヴリン。

イヴリン 「・・・あっは。・・・苦しみなさい、アベル」

イヴリン 「あんたも、たっぷり苦しむといいんだわ」

イヴリン、動かないユーニスの方へ視線を向ける。

イヴリン 「やだ・・・」


アベル 「ごめん・・・ごめんユーニス・・・」

シャヒーナ 「・・・あたしさえいなければ、ユーニスは・・・」

アベル 「違うよ。僕が・・・浅はかだったから・・・」

ジーン 「感傷に浸ってるヒマはないぞ、ボウズ。追っ手が来る」

アベル 「は・・・はい」

ジーン 「いや待て、前方だ」

アベル 「前方?」


前方からくるサイファー。

ケネス 「よう、抜け出す決心は決まったのか?」

アベル 「ケネス・・・、さん」


ブルーアンガー。

兵士 「ほ、報告します! ブルーアンガーは、メインエンジン動力部に致命的な損傷を受けており、エンジンの点火も危ぶまれる、との事です!」

AJ 「わかった。下がれ。・・・お聞きの通りです。」

ホセ 「艦が無事でも、動けないのでは沈んだも同然だな」

AJ 「認識範囲外からのめくら撃ちです」

ホセ 「つまりは、射程範囲までの侵入を許した、と言うことだ」

AJ 「相手はGです。それも、こちらの手の内を知ってる」

ホセ 「楽しそうじゃないか、ダグラス」

AJ 「滅相もない」

ホセ 「・・・まあ、いい。海賊どもの目的はブルーアンガーだ。幸いなことに、積み荷は全て降ろした後だ。無駄な消耗戦をすることもあるまい。・・・ブルーアンガーは破棄する」

AJ 「・・・思い切った選択ですね」

ホセ 「イブレイに、Gの撤退と発進命令を出せ。私はオデッセイアに移る」

AJ 「は、はい」

ホセ 「追い詰められたネズミは猫を噛むというな。なら、追い詰められた猫はもっと怖い」


ケネス 「お・・・何だァ? 彼女連れか? お前もスミにおけないね」

アベル 「そんなんじゃ、ないです」

ケネス 「ま、いい。今から、ブルーアンガーを叩く。・・・力を貸せ」

アベル 「・・・はい」

ジーン 「ォィォィ、俺ァ、戦闘のプロじゃないんだが?」

ケネス 「ははッ、誰かと思えば、ジーンじゃねえか。イヴリンじゃないとは思ってたけどよ。一年も連絡がないと、死んだもんだと思ってたぜ」

ジーン 「連絡手段がなかったんだよ。いい加減、いつバレるかとヒヤヒヤしてたぜ」

ケネス 「分厚いツラの皮して、何がヒヤヒヤなんだかね」


オデッセイア・ブリッヂ。

キャロライン 「ソードケインとヴォーテックスはもう出てるの? どう言うこと?」

キャロライン 「よりにもよって、こんな時に・・・!」

ドアからホセ。

ホセ 「発進してくれ、艦長どの」

キャロライン 「カーロ長官・・・!」

ホセ 「連中の目的は、ブルーアンガーだ。思ったよりダメージが深刻なのでね。ブルーアンガーは破棄する」

キャロライン 「は、はい。しかし・・・」

ホセ 「イブレイにも同様の命令を出してある。Gの撤退命令を出せ」

キャロライン 「は、はい。ソードケインとヴォーテックスに撤退命令を」

ドアから、今度はイヴリン。

イヴリン 「無駄です。アベルはソードケインを奪って、逃亡しました」

キャロライン 「何ですって!?」


ケネス 「右翼艦と左翼艦が撤退!? ブルーアンガーはもぬけのカラか!?」

ジーン 「積み荷は全部降ろした後だ。どうやら、その可能性は高いぜ。Gを出して応戦してくる様子もない」

ケネス 「けっ、大決戦だと思って覚悟を決めてきたのによ」

ジーン 「追うのか?」

ケネス 「いや、俺らの目的は、あくまで旗艦の破壊なんでね。むしろ、抵抗が少ないほど楽でいい」

ジーン 「突っ走るんじゃねえッ! 俺は非戦闘員だっ」


アベル 「ブルーアンガーが・・・沈む」

シャヒーナ 「・・・ええ」

ケネス 「よう、少年。お前がどんなつもりで抜けてきたのかは知らないが・・・俺らと来るなら、歓迎するぜ」

アベル 「・・・守れ、ますか?」

ケネス 「あン?」

アベル 「ケネスさんといれば、大事な人を守れますか?」

ケネス 「・・・さあな。俺も守れなかった。だから、ここにいる」


シャヒーナ 「・・・アベル」

アベル 「ごめん・・・ユーニス」

シャヒーナ 「・・・ユーニス」


次回予告

ナレーション 「アベルの脱走から、半年が過ぎた。世界は、ユニオンの思うままに動かされ、その中でアベルは、もう一度マシンに乗ることを決意する。 次回、『束の間の、まどろみ』 Gの鼓動が、今、目覚める」

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